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guépard(ギュパール)のご紹介

guépard(ギュパール)のご紹介

折角堂で扱っているコレクションの一つに、「guépard」(ギュパール)があります。

guépardは、Frame France(フランス製のヴィンテージフレーム)の世界で権威的な神戸の有名ヴィンテージ眼鏡店「SPEAKEASY」の山村さん、札幌の「Fréquence.」の柳原さんによるブランドです。これまで数多のヴィンテージフレームを扱ってきた両氏が、クラシックさと独創性を併せ持ち、世界最高品質を誇る1940年代から1950年代のフレンチヴィンテージフレームのデザインやディテールを表現したブランドです。guépardは、フレンチヴィンテージフレームのデザインやディテールを可能な限り再現しています。では、ヴィンテージとguépardは一体どこが違うのか、guépardデザイナーであり、SPEAKEASYオーナーの山村さん(URL:http://www.speakeasy-kobe.com / Instagramアカウント@speakeasy_kobe)、SPEAKEASY TOKYOの佐野さん(Instagramアカウント@speakeasy_sunny)にそれらの違いのお話を伺いました。

ヴィンテージフレームと現行のフレーム(guépard)の最も大きな違いは素材です。ヴィンテージフレームはセルロイド素材を使用していますが、guépardではアセテート素材を使用しています。1940年〜50年代の眼鏡製作で用いられていたのはセルロイド素材です。セルロイドは世界初の人工プラスチックであり、美しい艶が出る、アセテートよりも頑丈であるなどのメリットがありますが、可燃性があることが問題視されました。素材同士の摩擦による熱などでも発火するほど危険なため、1955年にアメリカで可燃物質規制法が制定されると同時に禁輸され、製造や消費が落ち込み、アセテートなど他の安価で取り扱いが容易な素材の台頭も併せて欧米では生産されなくなりました。現在では日本や中国などで生産されており、一部の現行の眼鏡にはそれらが使用されています。
 現在のセルロイドと比較し、当時のもののクオリティは格段に高いそうです。セルロイドは経年により水分が素材から抜けていくのですが、同時に不純物も抜けていきます。それにより、長年デッドストックとして暗所で保管されていたヴィンテージフレームは熟成されるため、より美しく、独特の艶やかさをその身に纏います。この素材の味については、アセテートを使用しているguépardでは表現することができません。並べて比較してみると、その差は暦然です。


 
 また、なぜguépardはセルロイドではなく、アセテートを使用しているのか。経年変化していない、当時のものとは違うセルロイドを使用することの問題や、現代のセルロイドの質感の問題もあるのですが、大きくはguépardのコンセプトにあります。それは「ヴィンテージフレームへのファーストステップ」。現在でも、セルロイド素材での製作にはコストや手間がかかります。セルロイドではなく、加工が容易で、より生産性のあるアセテートを使用することで手にとっていただきやすい価格としています。
また、繰り返しになりますが、素材での違いはあれど、デザインはヴィンテージフレームを忠実に再現しています。ヴィンテージフレームは元々欧米人がかける眼鏡であり、当時のレンズ作成技術の影響も含め、鼻幅やサイズなどがかなり小さくなっています。guépardでは、現代のアジア人がかけやすいサイズ感へと修正しており、様々な人へかけていただけるフレームになっています。そして、サイズ修正に関しては元々のデザインのバランスを損なわないギリギリのところを攻めるため、様々な試行錯誤がなされています。というのも、仮に現物があり、同じ寸法で作成しようとしても、素材の違いや当時のものとの制作工程が異なることによって、まったく同じものはできません。複数の箇所の微かな違いが生じ、一本の眼鏡全体としてみると、まったく別のものになってしまいます。サイズが違うのであれば尚更です。

 しかし、世の中にはそのように制作されている、フレンチヴィンテージの模造品のようなものが氾濫しているそうですが、guépardは山村さん、柳原さんがヴィンテージフレームへのリスペクトを込め、試作に試作を重ね、0.1mm単位での修正を繰り返して完成されています。ここに「guépard」の名前に込められた意味がわかるのですが、折角堂ではなく、guépardのホームページ(https://guepard.jp)で確認してみていただくのが良いと思います。

 まだまだ語り尽くせない魅力のあるguépard。製作陣の愛によって実現しているコレクションです。アパレルなどでの取り扱いが増えてきていますが、関西圏での眼鏡屋での取り扱いは折角堂のみになります。SPEAKEASYにも取り扱いはございませんので、ご注意ください。カラーレンズやサングラス、眼鏡での提案やその他調整なども当店で可能です。他店からの持ち込みでも大丈夫ですので、ご相談いただければと思います。
 また、guépardをみて、フレンチヴィンテージにご興味を持たれた方は、ぜひSPEAKEASYにも足を運んでみてください。

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