折角堂

tonysame: TS-10910の秘密

tonysameから渾身のフレーム、TS-10910が入荷しています。
構想から2年間温め続け、今年ようやく製作に漕ぎ着けたtonysameの意欲作です。

このフレームの特徴は一見してわかる通り、このフロント部分の構造にあります。
フロントが二重丸で立体的に見える構造。この不思議な外見は「一体どうなっているの?」と思う一本です。

この構造の正体はアウターリムとインナーリムから構成されるダブルフロント構造です。ブリッジ部分で前後につながっており、アウターリムはテンプルと、インナーリムはレンズ面と接合されています。アウターリムは、厚みのあるチタンを溶接することなくこの形状のまま型抜きしており、接合部分がない故の美しさを出しながらも、フレーム全体に弾性を持たせる構造になっています。これは二重丸に見える外見上の演出に資するだけではなく、機能性まで高める要因となっています。
ダブルフロント構造により高められている機能は2つ。1つ目は掛け心地の快適さの向上。2つ目はレンズ面の歪みの防止です。

tonysameの代名詞とも言える掛け心地の快適さをより向上させる要因として、テンプルの根本である「ヨロイ」に秘密があります。従来のモデルにも使用されていた「T-cut」を使用することで側頭部を包み込むようになっており、ズレにくく掛け心地の良い快適な眼鏡になっています。

また、ダブルフロント構造のアウターリム。従来ではみられなかった極圧のチタンを使用し、テンプルだけではなくフレーム全体に強い弾力を持たせることでフレーム全体の強度を向上させつつ、楽に掛けられるような工夫が施されています。
これほどの厚みのチタンを一枚でくり抜くのは技術的に非常に難しく、こういった部分から2年の構想期間を踏まれています。

2つ目のレンズ面の歪みの防止についてです。
多くのメタルフレームでは、テンプルを広げるとブリッジに負荷がかかりレンズ面が外側に向いてしまう、いわゆる「逆反り」の状態になってしまいます。フレームを痛めたり、掛け心地が悪くなるなどのデメリットが非常に多くなる状態です。また、レンズ面も角度が変わってしまうことで光の屈折がうまくいかず、像がボケる、歪むなどの機能面でもきちんと使用できなくなります。
一方でtonysameのこちらのフレームは、ダブルフロント構造のおかげでどれだけ広げても逆反りすることがありません。レンズ面の角度が一定のため、どの様なケースでも正常なレンズ面で見ていただくことが可能です。さまざまな方に快適な視野を提供できる作りになっています。

【通常時】

【開いた状態】 ※レンズ面は干渉されていない

外見上の面白いデザイン性を持つ眼鏡は多くありますが、それに力学的なアプローチから快適さや良い掛け心地など、実用面まで考えている眼鏡はあまり多くないように思います。逆も然りで、どちらもクリアするのは非常に難しいです。
そんな中で一歩踏み出し、高いデザイン力と技術力で次々に新しい眼鏡を生み出すtonysame。
不思議な外見のデザインと構造のデザインを試してみてください。