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新ブランド have faith ディレクター兼デザイナーの髙木さんと対談【中編】

新ブランド have faith ディレクター兼デザイナーの髙木さんと対談【中編】

have faith 髙木亮輔
眼鏡ブランド〈have faith〉ディレクター兼デザイナー。キクチ眼鏡専門学校卒。在学中の1998年に名古屋の眼鏡店モンキーフリップにて勤務。卒業後の2002年に国内を代表する眼鏡ブランドのフォーナインズに入社。その後、2013年からトニーセイムジャパンに在籍ののち、2022年6月に独立したかぎ商会を設立した。現在はオリジナルブランド〈have faith〉を運営。フリーランスデザイナーとしても活動し、トニーセイムジャパンの眼鏡デザインも継続して担当している。トニーセイムジャパン在籍時に日本メガネ大賞を三度受賞(2020・2022・2023)。

折角堂 高橋賢吏
折角堂 代表。2005年に眼鏡大手セレクトショップに入社。複数の店舗の立ち上げや店長を経験。2015年折角堂をオープン。様々な分野の職人やショップとコラボイベントの開催や、オリジナル眼鏡ブランド「七六」の企画を担当。

About have faith
2023年5月、新たにスタートした眼鏡ブランド。眼鏡店とフレームメーカーの現場で培った技術やアイデアを元に、独自の解釈を取り込んだモデルを展開。世間の潮流に左右されない価値観を持つ人たちに掛けてもらえるような、高品質なものづくりを目指している。

前編ブログはこちら↓
新ブランド have faith ディレクター兼デザイナーの髙木さんと対談【前編】

高橋:制作された眼鏡のデザインと素材についてお伺いします。〈have faith〉スタートの2型はどのようなイメージでデザインされましたか?

髙木:今回は具体的に「掛ける人」をイメージしています。その中で、まず家族や日頃お世話になっている方々には掛けてもらいたいな、と思いました。ちょうどデザインを詰めているタイミングが折角堂 東京のオープン間もないタイミングでしたので、折角堂のお客様にも掛けてもらいたいなと思い、それにはどんなデザインが良いだろうか?と自問自答しながら形にしました。

高橋:2型ともニュートラルなフロントデザインですよね。

髙木:最初の2型ですので・・・かなり悩んだ結果、ニュートラルなデザインにしました。
P-01は幅広く様々な方々に掛けてもらいたい、とイメージしたフロントデザインです。小顔の方でも違和感なく掛けられるギリギリのサイズを狙っています。
P-02はワイドを広めにとったスクエアタイプです。顔幅が広めの方におすすめできますし、小顔の方がオーバーサイズ気味で合わせていただくのも新鮮さを感じてもらえると思います。天地幅を狭めに設定して90年代の空気感を纏わせていて、この数年流行していた丸いレンズシェイプを、そろそろ別のものに変えたいなというものをお考えの方にもご提案したいフレームです。

高橋:ニュートラルとは言いながらも、かなり試行錯誤されているんですね。

髙木:今回は「何気ないけど、欠かせないもの」みたいな立ち位置の眼鏡をつくりたいな、と思ってデザインしたからかもしれません。「ニュートラル」でありながら、仕事でもオフでも掛けられるっていう立ち位置で、そこに軽量化や柔軟性、さらに安定感も備え付けるという考えでデザインしました。

高橋:レンズシェイプはどういうイメージでしたか?

髙木:P-01は丸みがあるのですが、見る人によってはスクエアにも見えたり、オーバルにも見えたり、という不思議なレンズシェイプです。
私としてはスクエアとボストンシェイプの中間のようなイメージでデザインしました。ちょっとだけ天地幅が浅い感じも楽しんでもらえると思います。
P-02は90年代を意識しています。私が眼鏡業界に入ったのが98年なんです。当時をいろいろと思い出し、資料も見ながらデザインしています。実際にヴィンテージのフレームも参考にしてデザインを固めていきました。
横に長いスクエアシェイプなのでトレンドとも少し違いますし、マイノリティな印象も受けると思います。あえてそういったフロントデザインにした理由は、90年代の古着がこれだけ盛り上がっているので眼鏡も当時の雰囲気を楽しんでもらいたいな、という本当に個人的な思いもあります。まさかデサントアディダスを街で着ている人を見られるなんて思っていませんでしたので。

高橋:今回、フロントには高密度アセテートを使用していますよね。最近はあまり見かけない素材だと思いますが、どういった経緯で?
※高密度アセテート:可塑剤添加物を減らしアセテートの密度を高めることで、細くても強度を持たせられる素材。

髙木:〈have faith〉の「軽くする為にフロントパーツを限界まで薄くする」というデザインコンセプトが固まった際、高密度アセテートを使えば安定感と剛性をキープ出来るのでは?と考えていました。実際に生産工場と打ち合わせをした時「この薄さにするなら高密度アセテートがファーストチョイス」という結論に至りました。

高橋:高密度アセテートって一時期海外ブランドで見かけましたが、最近見かけないですよね。何か理由があるのですか?

髙木:細身のプラスチックフレームがトレンドの時期に使用しているブランドがあったと思います。あとはシートメタルを使用した眼鏡に合わせるプラスチックパーツとして、薄く繊細なデザインにも対応出来るこの素材を使っているケースもありました。最近見かけなくなったのはトレンドがシフトしたことが理由だと思います。最近は太いプラスチックフレームのデザインが増えましたよね。細身にしないのであれば高密度アセテートを使う必要もない、ということだと思われます。

高橋:そうなんですね。確かにプラスチックフレームはここ数年、太いデザインが増えました。

高木:今ではもう高密度アセテートの生産を休止したプラスチック生地メーカーもあるぐらいです。

高橋:需要がかなり減ったんですね。

髙木:あと、「細く、薄く」というディテールの為に使用されていたマテリアルなので、そもそも厚い生地が生産されていないという懸念点もありました。1社だけ厚めの生地を生産しているメーカーがあり、最もクオリティの高かったそちらの生地を使用しています。
ブリッジ部分と丁番部分には強度が必要なので厚みをしっかり残しながら、最も薄い部分は2ミリ台まで薄くしています。元々5.5ミリ厚の生地からおよそ50%削り落としていることになります。贅沢にも思える生地の使い方ですがフロントパーツを薄くして剛性もキープするには必要な設計だと考えています。

高橋:テンプルはチタンを使用していますが、これにも何か理由がありましたか?

髙木:薄いフロントデザインにすることが固まっていく中で、テンプルも薄くしたい思いがありました。プラスチックテンプルよりもメタルテンプルの方がより薄さを表現できますので、メタルテンプルをチョイスしています。フロントパーツ同様に薄くしながらも剛性はキープしたかったので、チタンを用いました。フロントとテンプルの接合部にはクッション性の高いジョイントパーツを配置しています。
クッション性にはかなりこだわりました。テンプルの当たり方がソフトで復元力もあり、使用していてテンプル幅が広がってしまう、などの変形も防いでくれます。

高橋:ノーズパッドには「SMP」というロゴがついていますね。

髙木:はい。35度以上で少し柔らかくなる特殊な樹脂「SMP」を使用しています。哺乳瓶の口の部分にも使われているぐらいアレルギーフリーな樹脂でして「SMP」と記されている金属芯もチタンで作ったオリジナルノーズパッドです。チタンを使ってアレルギーと腐食の面にも配慮しました。

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